【写真説明】既に紹介済みだが、月霊旗縦走路中、林務局管理下の国家歩道に属するのはこの月光山と霊山のみだ。初めて月光山へ取り付いた際は、国家歩道の指導標のスタート(最下段)より遥か下にあるこの土地公(上段左写真)の空スペースに駐車し歩き始めた。実際、ハイカー向けの駐車場はまだ上にあり、スタートゼロ地点は更に上だ。土地公〜スタートゼロ間の距離はざっと2`、しかも急坂、まるで筆者の要領を得ぬ人生の如し、苦労するが何も得られず。反省を込めて何の変哲もない台湾の廟を差し挟んだ。その国家歩道ゼロ地点に立つ案内板(上段中央写真)、正規の歩道長丁度3`であることが判る。月光山と双峰山との分岐点に立つ指導標を過ぎると、月光山方面は直に稜線に出る。右写真は稜線に出る前に出合うガジュマルの大木。筆者にとり稀有な快適さに襲われる月光山東側稜線だが、筆者の技術では何の変哲もない坂道に変じてしまった(下段左写真)。その稜線の頭から月霊旗縦走路を俯瞰(中央写真)、旗尾山ピークは最奥。月光山頂上の光景(右写真)。登山道はここで終りというわけではなく、実際まだまだ東進が可能だ。今回掲載した写真は、2016年12月、2017年11月、2019年10月の三回に渡る山行中撮影したものから選んだ。
旗尾山への初登が2004年4月だったのに対し、この縦走路の万人が認めるゴール、旗尾山の丁度倍の標高を有する月光山への初登が2016年12月だったようだというのは不思議と云うしかない。伝聞体になっているのは筆者の写真データがそう語っているので致し方無い。しかもこの月光山初登時いきなり霊山まで歩き通してしまい、特筆すべきは爾来この月霊縦走は再度試みたことが無いと云うことだ。筆者のこの山に対する印象は頗る良い。何が、或いは何処がと聞かれれば、頂上に繋がる東側稜線のスロープと地籍三等三角点を擁する頂上の古僕な風景だ。ところで、「月光山」は日本時代には何と呼ばれていたのか?漢字表記は今も昔も同じだ。では、日本人は何と発音していただろうか?常識的には「げっこうさん」なのだが、そう、そのままだ。しかし現代日本人には当時の台湾での漢字熟語の読みを中てるのはそうそう簡単なことではない。一つの背景として、熟語を訓読みすべきか、音読みすべきか、或いは混合させるのか?明確なルールが存在していなかったからと考えてみる。例えば、既に筆者の記事の中にも頻出している「美濃」は当時「みの」と発音されていたのだ。この熟語は混合型の特別ケースと呼べるかもしれない。いずれにしても、日本時代の地名発音を確認する方法としては、ウィキペディアの中文版と日本版の引き比べ等手間の掛かる仕事になってしまう。というのは通常地図上の標記に振り仮名は打たれていない。一つ簡単な確認作業は、当時米軍の作成した地形図を閲覧する方法だ。地名はすべて当時のローマ字表記がそのまま採用されているからだ。「月光山」は「GEKKŌ-SAN」である。「SAN」が出て来たついでに、「さん」か「ざん」かの問題。ひょっとしたら日本語文法上の相異と使い分けのルールを小学校、乃至は中学校で教わったかもしれない。或いは、元々そんなものはないのでこれまでの人生中、素通りしてきたかもしれないが、最近米軍製作の地形図上の地名表記を眺めていたら、山の前に来る最後の一字が濁音だった場合、「ざん」、さもなくば「さん」というルールがあるのではないか?と思い始めたのだが、ネット上でこの応用ルールがそもそも存在するのか?推察すると筆者の意見はイエスである。イエス=正だと、やはりネット上の日本語文法は滅茶苦茶だ。このブログでも既に発信済みの『壽山古道』で代表される壽山、或いは寿山、どう発音するのが文法上と歴史的上正しいのか?答えは、「じゅざん」(ローマ字表記はJU-ZAN)である。日本ネット上の台湾関連観光サイト、並びに日本版ウィキペディアを閲覧してみたが、JU-ZANで紹介してあるサイトは皆無に近い。筆者自身ですら恥ずかしながらJU-SAN派だった。では、このブログ・カテゴリー美濃の西隣旗山の日本時代の発音は「きざん」で、見事に筆者が正解を導き出したと密やかな自負はあっさり打ち砕かれた。現在のカテゴリーで最高露出頻度の旗尾(山)は「きび-さん」だ。いやいや、以上のような下らぬ謎時を始める前に富士山を考えてみれば良い。「ふじさん」、さんの前は濁音なので「ふじざん」となるべきだが、少なくとも慣用発音は清音なはずだ。。。(続く)
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