【写真説明】月光山と旗尾山を結ぶ縦走路中、手作り指導標は豊富に配置されている。左写真の電柱上の指導標はその一例。中央写真は同縦走路中に繰り返し表れる「月旗」のマーキング。右写真は縦走路中初めて遭遇した「美濃古道」のマーキング。詰まり東西に走る月旗縦走路と南北に交差する越嶺点である。
壽山古道と云う固有名詞の意味する所は極めて包括的な呼称だった。美濃古道も壽山古道と同じく美濃地区の古道の総称と思い込んでいたのだが、実は独立した所謂越嶺道である。月光山から霊山を目指し、月旗縦走路を初めて穢した2016年12月に、「美濃古道」のマーキングを目撃、改めてこの縦走路を歩くことを誓った。それから約三年後の2019年10月にこの越嶺道を南側からアクセスしたのだが、月旗縦走路から外れる越嶺点が判らず、美濃古道経由の完全な越嶺を逸してしまった。それでも久々に古道然とした旧越嶺道を踏査する機会に恵まれ興奮した。古道発生機序の第一は越嶺道である。美濃古道とは現在月光山隧道に襲われた月旗稜線を乗越し、現在の行政区画では美濃区と杉林区を繋ぐ交易道だ。このダイヤグラムで嘗ての越嶺道が現代のトンネル開鑿技術の恩恵を被り古道に転じた背景が良く分る。月光山隧道のトンネル部分は灰色表記になっているが、現代の古道歩きはこの灰色表記の南北両端を結ぶ線に沿う。(続く)
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