2022年04月09日

六亀特別警備道−43:小関山林道

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【写真説明】上段左写真は小関山林道約7.5`附近の検査哨、正式には、高雄市政府警察局六亀分局宝来検査所、今回の六亀警備道の踏査に際し、実に2006年以来久々にここのゲートを越した。既に標高1,200b程度ある。中央写真は、今回の踏査行の北限の駐在所、藤沢分遣所の在処、小関山林道14`地点の今は廃棄された検査哨、林道起点に向かい撮影、藤沢遺構直下南側、同写真左側から駐在所跡地へ辿れる。右写真は、中央写真撮影地点から林道を更に600b程北へ辿った先の新(左)旧(右)林道分岐点、右側林道は既に封鎖、藤沢遺構直下北側、同写真右手から駐在所跡地へ辿る。詰り、小関山林道14`附近で、林道脇の南北両方から藤沢跡地にアクセス出来るという意味である。尤も、この地点迄入り込み南北何れか側から進入する物好きは駐在所ハンターには非ず、三角点ハンターである。藤沢分遣所跡地=小斯拉巴庫山山頂だからだ。

年末・年始の三日間の踏査順は次の通りだった。二日目と三日目の踏査行は東海道五十三次、第6宿から第12宿に相当する。この間、宝来温泉に宿を取った:

(1日目)藤枝林道から藤枝方面:掛川、バリサン、袋井、見付
(2日目)小関山林道沿線:三島、沼津
(3日目)小関山林道沿線:箱根、小田原、藤沢、平塚、大磯

小関山林道沿線の駐在所遺構の踏査に際しては、当初、同林道14`地点の藤沢分遣所から順に南下(検査哨へ戻る)しようと計画していたのだが、三島、沼津が林道沿線から相当離れている為、先ずこれら二箇所の踏査に一日を充てることにした。但し、このブログでは藤沢から順に紹介する予定だ。実際小関山林道沿線に残る駐在所遺構は、藤沢の北側の上宝来、保土ケ谷、戸塚も含まれるが、藤沢分遣所北側入口付近で従来の林道が封鎖、新しく林道が開鑿されているのを目撃、これらの駐在所の踏査は即座に諦めた。安全確保を優先させてのことだ。後で、昨年8月の豪雨時に崩れ、その後暫く林道14`地点迄が車の通行が可能な区間だったことを知った。

藤沢分遣所遺構を紹介する前に、小関山林道に少しく触れておくことにする。林道の名前が示唆するようにこの林道は台湾百岳の一座、小関山(標高3,249b、百岳66号)登山口まで続いている、全長38`、否、続いていたというのが正しい。そのまま日帰りで小関山頂上往復が可能だったのだ。筆者もそうした。ここら辺りは筆者の姉妹ブログで紹介しているので参考にして欲しい。その後、2009年、八八水災に見舞われ、各処で林道が寸断され相当期間封鎖されていたのだが、何時開通したのかは知見無し。筆者の小関山登頂は2003年暮れ、20年が経過しようとしている。

林道入口から凡そ7.5`附近に検査哨があるのだが、昔は予め入山証を取得しておかねばゲートを通して貰えなかった。今回簡単な手続きでいとも容易く通して貰えたので唖然としたものだ。それより驚いたのは、筆者が踏査に利用した元旦の連休、何人ぐらい入山しているのか?と質問したら、300人位との答えが返って来た。仰天した。コロナ禍に依る登山人口の急激な増加はやはり異常現象だ。今現在26`までは車で入れる。そこから登山口までの林道は完全に崩壊、歩かなければならないので、最早「日帰り可能な百岳」ではなくなった。

尚、小関山林道「沿線」の駐在所遺構踏査と云う表現をしてしまうと、林道と実際の六亀警備道との重なりが相当ありそうなイメージになってしまうが、警戒所1箇所(上宝来)、分遣所7箇所(保土ケ谷、戸塚、藤沢、平塚、大磯、小田原、箱根)のみ、林道約10`〜17`区間、僅かに7`程度に過ぎない。しかも重なっている、重複していると表現すると、小関山林道は六亀警備道を襲って開鑿されたと思われてしまいそうだが、両者の関係はあくまで近似線である。林道たる車道を通すのはあくまでビジネスの為、稜線伝いに林道を開鑿するような難儀で危険な方法は選択しないはずだから。もう一度前出のダイヤグラムを見て欲しい。

下段左写真は、大磯地点から検査哨に戻る途中で俯瞰した桃源区市街地、嘗てのガニ社、日本橋方面である。六亀警備道の北側起点とそこから急登し稜線上に設置された駐在所との高度差約800bが見て取れる。右側写真について―小関山林道は標高が千bを越えかなりの高度感があるので、そこを辿るのは何かしら鳥になった気分、廻りの山々で圧倒的な存在感を誇示しているのは渓南山(同写真右側、標高2,650b)、その手前の山が小田原山(同1,335b)、小田原分遣所の宝来渓を隔て対岸の山なので、同山頂上に陸測三等三角点を埋定した際点の記にそう記したに相違無い。同写真左奥に写る尖峰が小関山(同3,249b)、三役揃い踏みの感有り。(続く)

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posted by 玉山 at 00:00| 台北 ☀| Comment(0) | 六龜特別警備道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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