【写真説明】上段は遊歩道としての出水坑歩道の景観。右写真は歩道終点であり、東側へ下り阿里山森林鉄道交力坪駅へ至る道と南側へ更に登山道へ繋がる道との三叉路になる。下段はその遊歩道部分の最下段(左写真)、最上段(中央写真)の各々に鎮座する土地公に加え、遊歩道部最上段からそのまま南側に繋がる廃棄された産業道路と四大天王山連峰への登山道とが交叉する場所にあるもう一基の土地公。これら三基の土地公は遊歩道として整備された出水坑歩道が実は出水坑古道と呼称されるべき証左であると思う。
「出水坑」は嘉義県の古道の紹介記事の中や、関連ダイヤグラム上でも位置を明示してきたが、未だ記事を起こしたことは無い。もうかなり以前にタイトルの歩道の一部を筍狩りの折りに確か二度歩いたことがあるので、それを材材に短い補足記事を入れ込む予定にしていたのだが、当時撮影した写真を探し出せなかった。今般全長1.4`、落差300b、枕木を模したコンクリート製階段が嘉義県県道166号線脇に出入口を開けている歩道の全部を歩き更に北側に連なる山々に足を延ばす機会があった。通常「歩道」と称する一般大衆向けの遊歩道をこのブログで紹介することはない。今回はこの歩道は既に紹介済みの四大天王山の北側一座を目指す為の登山道として歩いたのだが、林務局が歩道と呼称するこの遊歩道、実は古道であることを確認出来たので数回に分けて紹介することにした。1.4`、落差300bはかなりきつい登りだが、標高が1,200bを越えている最高点である終点迄辿り着くとその苦労が大いに報われたことを発見する。急勾配の茶畑越しの阿里山方面の眺望は圧巻である。阿里山の最高峰、大塔山迄望める。但し、天気に恵まれればである。この眺望の為だけに歩道のみを往復すると云うオプションは大いに有りである。出水坑歩道の最上下段各々に土地公がある。特に最上段のそれは自然石を利用した古色豊かな造りである。この土地公の存在から歩道は単なる遊歩道では無く古道と特定して良さそうだというのが筆者の結論である。更に、出水坑歩道はそのまま茶畑の最上段に沿い産業道路が繋がる。この産業道路は暫くは四大天王山連峰方面への登山道を兼ねているのだが、やがて登山道は産業道路と別れ本格的に稜線に取り付く。その三叉路にも遺棄されかかった土地公があった。筆者はこれで大いに満足した。(終り)
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