【写真説明】蛇行を繰り返す県道166号線上には幾つもショートカット用の道路が付けられているがあくまで地元民のものである。金獅古道の廣福宮からもその一つが設けられているが、廟堂の駐車場から少しだけ入り込んだ場所に、古紙工房跡が公園として整備され一般人に開放されている。左写真にあるように、二枚の説明板があり、右側の案内板は「金獅寮−林家造紙寮(製紙工房)」と題し保存遺構の概観、左側は具体的な古紙製造方法が紹介されている。以下は右側の概観説明板の全訳である(原文は中文のみ):
「清末、中華民国成立初期は竹を原料とした産業が盛んになり、桂竹(台湾桂竹、タイワンマダケ)を利用した製紙業が本村の主要な生業(なりわい)となった。ここで製造される紙は粗紙であり、主な用途は祭祀用金子(きんす)や包装紙であり、全盛期には五十軒近くの製紙工房があった。1970年代になると手工業であるこの製紙法は、機械化に依る安価な大量生産には敵うべくもなく、伝統産業として没落してしまった。
林家の製紙工房は本村で最も完全に保存されている。一年生の竹が葉を付ける前に4.6尺の長さに切り揃えられ、更に細かく縦割りにした竹を束ねた上で、消石灰を加え「竹礐仔」(漬竹石槽)に四箇月浸けられ、その後更に真水に交換、竹の繊維が十分に柔らかくなったものを次の製紙工程で用いた。」
左側説明板は、製紙八工程を各々漢字一字で順に「輾」、「攪」、「入」、「撈」、「壓」、「開」、「晒」、「成」と代表させこれら製紙八工程の詳細を紹介している。左写真の歯車は第一工程「輾」に、中央写真は「攪」用か?(終り)
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