2021年07月17日
蘭嶼−19:大森山−2
【写真説明】今回は登山口から半時間も歩かない内、まだ生態園区内で出会った巨木群を三枚並べた。尤も樹木の大きさを写真で表現するのは難しく筆者の技術では無理がある。精一杯努力している積りではいるとしか言い様が無い。又、生態園区を越えて山頂稜線に至る迄の急斜面で出会った樹木も三枚、この記事の最後に埋め込んだ。台湾テリトリー内の真の熱帯雨林を感じて欲しいと云う希望を込めているが。我々を大森山山頂まで引率してくれたガイドに依ると、左写真のこの地上根が大きく張り出した巨木は「台東番龍眼(樹)」、ウィキペディアを日本語に切り替えたら「マトア」、又は「タウン」と云うカタカナがでてきた。台湾観光の世界で三大果物はライチ(茘枝)、マンゴー(芒果)、龍眼と謂われるが、番龍眼も龍眼も同じムクロジ(無患子・木槵子)科である。「番」は恐らく「原」の意であると想像されるので山龍眼と言い換えられるかもしれない。フィリピン原産らしい。ウィキペディアに「別名ソロモンマホガニー。分類学的には高級木材として知られるマホガニー(センダン科)とは全く異なるが、比較的安価なこと、加工性に優れ腐食や磨耗に強いことや、木目や色調が似ていることなどより、マホガニーの代替材として住宅や家具に用いられる。」と云う部分がポイントである。
中央写真も巨木群なのだが樹種不明。右写真は「麵包樹」(パンノキ、パンの木)の果実と落ち葉。この樹木は台湾本土でも公園等に植え込まれたのを良く見掛ける。こちらも原産地はフィリピンのようだ。パンノキは「カヌー植物」を代表する一種だ。ハワイ州観光局の公式サイトにカヌー植物の定義として以下の紹介がある:「タヒチやマルケサス諸島から到来した先住のハワイ人たちは、生きて行くために最低限必要な道具や薬品、食糧などに用いる有用な植物を持ちこみました。カロ(タロイモ)やウル(パンノキ)、ニウ(ココヤシ)などを含む、おおよそ24種類と言われるそれらの植物は、「伝統植物」あるいは「カヌー・プランツ」と呼ばれ、一般的な外来植物とは別に考えられています。」このようにカヌー植物は古代ポリネシア人とハワイとの関係で説明されるケースが殆どと見受けられるが、ウィキペディアのパンノキの解説には「オーストロネシア祖族の移動により栽培化した植物のひとつでオセアニアに拡散したと考えられる。植民地時代にさらに世界の熱帯の地域に持ち込まれた。」とある。番龍眼も同様な経緯で蘭嶼に上陸したのではないか?と筆者は想像してみるのだ。生態園区入口にある案内板の「ヤミ族伝統の拼板舟専用樹種」とは番龍眼とパンノキである。ヤミ族の祖先がフィリピン方面からこの二つの樹種の果実を持ち込み、それらが大きく育つと切り倒し、チヌリクランとかタタラと呼ばれるカヌーを作りフィリピン方面へ漕ぎ出した−このような海の道を介した壮大な往復が実際存在したかもしれない。上述したように、登山道が生態園区を離れ急斜面に掛かった後に撮影した写真を参考までに埋め込んだ。最初の二枚の樹種は判らず、三枚目は野生の檳榔であると現地ガイドに説明を受けた:[1] [2] [3] (続く)
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