【写真説明】古道ブログらしくこのカテゴリーの最期は「古道」で〆よう。
高雄捷運環状軽軌(略称「高雄軽軌」)は、日本語では「高雄ライトレール」と呼ばれる高雄市街地に新しく導入された路面電車である。2015年に開業したが、環状線としては未完成だ。通常の交通手段と言うより高雄市観光の目玉の一つと説明した方が良さそうである。前身は台湾鉄道高雄臨港線、日本時代は高雄港への引込み線、通称「濱線」である。嘗ては高雄市街地で最も栄えた哈瑪星(台湾語読みで「はません」)地区の再開発の梃入れとして高雄ライトレールを現在開業させている。筆者はレール・ファンではないので開業以来全く興味が湧かず乗らず仕舞いだったが、前回紹介した田町斎場跡の写真撮りに利用しようと思い立ち乗ってみた。ところが、今現在開業している区間が鼓山区役所駅までで、田町斎場までは未だかなりの距離がある。それで予てはバイク・自転車で往復している同通りをもう一つ手前の駅までテクテク歩いてみた、何か新しい物は発見出来ないだろうか?と期待して。鼓山路が大公路と交わる部分は西側はフラットであるが、東側は深く沈んでいると云う変則的な公差点になっている(左写真)。この公差点北側に高雄ライトレール文武聖殿駅が設えてある。ここまで歩いて引き返したら、交差点南脇に色が落ちてしまった金属の案内板(中央写真)が立っているのを発見した。その内容は筆者にとっては十分に目から鱗物であった。交差点の片方が深く沈んでいるのはそこにフラットな陸橋が架けられていたからだ。目的は、鉄道を跨がせる為だ。その陸橋は昭和11年(1934年)に開通、当時高雄市で最初の陸橋、加えて高雄市で最初の鉄筋コンクリート製の橋梁であったと説明されている。当時から陸橋を支えていたサンゴ石に依る土台が一部残存している(右写真)。ウィキペディア中文版ではこの高雄市一番が台湾一番との記述になっている。そして陸橋撤去が2012年。待てよ、筆者が台湾に起居し始めたのは2000年である。爾来この場所は数限りなく通過しているのに、この陸橋の記憶が無い!日常とはそういうものか?いずれにしても、新種の台湾古道である。(終り)
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