2020年07月04日

虎頭埤−1

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【写真説明】左写真は虎頭埤風景区の正面ゲート、虎頭埤の西端になる。そのゲートに向かい右側から南側に入り込む路地がありそこを伝い抜けると小さな街並みに出るが、そこに中央写真に写る大鳥居が立っている。その小さな街並みの風景に完全に同化している様に驚いた。嘗ての新化神社の入口になる。本殿に至るには風景区敷地内に入る、つまり入場料を支払う必要あり。大鳥居と本殿を繋ぐ旧参道の途中、詰り、風景区敷地内外を結ぶ敷地外側に太鼓橋が残っている。今回の投稿本文に虎頭埤並びに周辺の日本時代の遺物第1号を紹介してあるが、新化神社関連遺物はその第2号であり、風景区敷地内にも神社遺構は残る。

現代日本語では「埤」の文字は余り見掛けないが、台湾では普通に用いられている。安倍明義の『臺灣地名研究』には「埤には人工のものも天然のものもある」とあり、要は溜め池、大概は灌漑用の水を蓄えている。今回新たにカテゴリーを設け紹介する虎頭埤は元々は天然池であったと思われ、灌漑用に整備されていった歴史は古い。場所は台南市新化区礁義里、台南市市街地の東側郊外にあり、同市民の簡便な行楽地としても開発されて来たので、日本人向けの台南観光案内にも必ず顔を出している。但し、一般の日本人観光客に特別な印象を与えるとは思えない。筆者自身、2002年に初めて訪れた時の印象は皆無、正面ゲートの写真が一枚残っているだけだ。

グーグル日本語版にて「虎頭埤」を検索、トップにリストアップされた観光案内を以下に抜粋する。これは同地の歴史に触れられているので良心的だ:

虎頭埤は台湾で初めて建設されたダムで、100年以上の歴史があります。「小日月潭」とも呼ばれ、台南の人々のお気に入りの公園になっています。台湾のアーティスト、周杰倫の映画監督作品である『天台』のロケ地にもなりました。1905年に虎月吊橋(吊り橋)が建てられると、湖はより一層趣深くなりました。豊かな自然に恵まれた歩道に沿って湖畔を周回すれば、徒歩でも自転車でも、気持ちの良い景色が楽しめます。ダムにはレジャー施設が整っていて、バーベキューやキャンプ場は人気のスポットです。湖の周回歩道だけでなく、白鳥ボートやカヌーに乗って水上から景観を楽しむこともできます。 早朝や夕方は虎頭埤の景色がもっとも美しい時間帯です。日の出や夕暮れ時の湖面は千変万化。うっとりするような景観です。夏はナンバンサイカチ(阿勃勒)の開花期で、木々が黄色い花で埋め尽くされます。黄金色の雨のような花びらが湖面に映る様子は思わず息を飲む美しさです。

残念ながら文中の年号、西暦のみで日本の年号が添記されていないので、虎頭埤と日本時代との関り合いを想像するのが難しい。実際、虎頭埤とその周辺は日本時代の遺物の宝庫であるのに二十年近くの年月を経て漸く発見した次第である。

虎頭埤は、その西端に盛り上がる標高61bの虎頭山に因むようだ。その頂上には百年古蹟、地籍三等三角点が埋定されている。虎頭埤並びにその周辺に現存する日本時代遺物第1号である。尚、虎頭山は台湾には複数あるが、最も著名な虎頭山は同じ台南市は玉井区にあるものである。(続く)

posted by 玉山 at 00:00| 台北 ☁| Comment(0) | 『水の古道』虎頭埤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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