2019年07月13日
『水の古道』阿罩霧[土/川]−4
【写真説明】烏渓治水工事竣功記念碑と省道3号線を隔て真向かいの象鼻路上に位置す阿罩霧圳第一水門、左写真右側が日本時代水門、左側に現代の水門がある。中央・右写真は日本時代水門を阿罩霧圳南側から撮影。下掲載写真は水門上の銘の拡大、並びに水門詳細。
烏渓治水工事竣功記念碑が立つのは北岸路上、省道3号線との分岐点近くである。他方、この北岸路と省道3号線を境に東側に入り込む道路は象鼻路である。象鼻路を数百メートル進むと直ぐに新旧の水門の間を渡るのだが、最初はこの水門を見落としてしまい、烏渓からどんどん離れていく象鼻路を暫く辿る失敗を犯した。もう一度このダイヤグラムを参照して欲しい。日本時代竣功の水門は象鼻路南側にある(左写真)。
一目見て仰天した。これまで筆者が看て来た水門に刻まれた銘はすべてコンクリートの平面に彫り込まれたものであるのに対し、阿罩霧圳第一水門の銘は、「阿罩霧圳」、「第一水門」、「昭和九年十月竣功」の三段抜きの銘が、正方形のタイルに一字一字彫り込みそれらを水門上に貼り合わせたように見せる意匠となっており、各文字に寸分の欠落も無い。竣功後85年、その完全さと美しさに脱帽する。高雄から二時間半のドライブに費やすだけの価値ありと興奮した。尚、象鼻路の由来は「北坑渓古道−7」を参照。(続く)
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