2018年12月22日
『水の古道』后里[土/川]−10
【写真説明】后里圳と言うより旧泰安駅を再訪した理由として二つ、后里圳渡槽と隘勇古道を挙げたが、二回目の探訪の折り、駅周辺を「水の古道」の観点から目を凝らしていたら色々面白い物にぶつかった。一つは泰安鉄道文化園区の北東側にある台中農田水利会のビル横に建つ日本式家屋(左写真)、この家屋に対する案内板なりを写真に納めていないので、少なくとも当時は準備中だったかもしれない。台中農田水利会本部ビルが斯様な片田舎にあるわけがないので、日本時代の后里水利組合の跡地と考えられる。台湾の水利組合は1922年(大正11年)に整備され、戦後台中水利会は、五つの地区の水利組合を統合する。現在台湾には全国17の農田水利会があるが、すべて日本時代の水利組合が前身である。その為、日本時代の建屋遺構をそのまま使い続けているか、改装再建している水利会は少なくない。その近くに、后里圳の支圳と思しき水路に架かった小さな橋、大安橋(中央、右写真)を見付けた。日本時代の遺構であることは、大安が泰安に改められたのは戦後であることからも判る。『台灣全覧』では七公圳の記載あり、同じく大安渓から水を引き込んでいる。(続く)
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