2018年11月17日
『水の古道』竹山隆恩[土/川]−2
【写真説明】前回記事にて掲載した左写真の、南投県指定古蹟隆恩圳の現存する、但し水源を失い枯渇した水路出口を模したモニュメントの敷設された辺りの地下に、172メートル残存した清代開鑿の水路が穿たれている筈だ。そこから程遠からぬ所、省道3号丙線に沿って旧水路は開鑿されているが、そこへの降り口に文字がすっかり褪せ落ちた案内板(左写真)があり、日本時代修復の部分が見えている(中央写真)。出口をコンクリートで補修したトンネル上部に長方形に縁どられた額状部があり、「(上段)第一号隧道」、「(下段)昭和三年十一月竣工」の殆ど損傷の無い流麗な文字が刻まれている。昭和3年は1928年なので、清代開鑿以来220余年後の改修と云うことになり、下掲写真のトンネルの中の丸石の精緻な石組が清代開鑿時のものとしたら驚くべき耐久性と言わざるを得ない。このトンネルは以前は電球が吊るされ入っていけたようだが、今は電線の残骸がトンネル壁面に残るだけ、しかも筆者が訪ねた時は、雨水が入り込み泥濘となっていた。(終り)
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