2016年10月29日

安通越嶺古道−2

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【写真説明】左写真は、花蓮県玉里鎮の玉里市街地にある廟堂の中でも有数の玉里協天宮に掛かる扁額。夜間撮影、協天宮自体の写真は撮影していないのだが、夜間であったとこと、台湾では極く有触れた廟建築であったからだと思う。玉里市街地が八通関越嶺道起点であると同時に、安通越嶺古道の起点でもあることを証明している歴史的な証左の事跡である。中央写真は、安通越嶺古道西段の最初の国家歩道指導標、4.2キロの距離は、国家歩道として整備された出入口までの距離である。同写真上奥に写る山並みが海岸山脈。右写真に写る省道30号線23.5キロに掛かる富祥橋袂にその最初の指導標が立つ。

安通越嶺古道の歴史的俯瞰は、八通関古道の東側起点玉里(璞石閣)の東側延長、海岸山脈越で太平洋岸(成廣澳)に至る古名「成廣澳道路」と云うことに尽きる。大括りに、八通古道東端延伸段である。牡丹社事件(1874年、同治13年)以降、清朝福建海防大臣沈葆驍フ命を請け、北、中、南路の内、中路開鑿を担ったのが、総兵呉光亮、中路、即ち、八通関古道の開鑿を完了させて後、1875年(光緒元年)に、呉光亮は広東飛虎軍を率い東進、太平洋岸に至る。これが安通越嶺古道の開闢である。

日本時代作成の地形図にもこの古道は明確に「紅蓙越」と示されている。「紅蓙」には「アンツン」のカナが振られている。省道30号線が同9号線と分岐し、海岸山脈に向かい坂を登り始めようとする北側に安通村があるが、日本時代の紅蓙部落である。現代のローマ字表記ではAngcoh、「安通」への改名は1917年(大正6年)とのこと、現在の台湾鉄道花東線旧線の安通駅は、日本時代から「あんつう」だった。「紅蓙」はアミ語で硫黄の鼻を衝く臭気の意味だそうだが、紅蓙の漢字表記との関係が判らない。尚、「蓙」は幾つかの表記方法があり、簡単に「座」を充てられることもある。

玉里温泉街を通り越し、緩い登りに掛かる省道30号線を暫く辿ると、最初の国家歩道の指導標が道路右側に立つ。その反対側は北側に辿る産業道路との分岐になっており、そこが、現代の安通越嶺古道の西段起点となる。この産業道路、四駆だとそのまま国家歩道として整備された古道起点まで入り込めるが、道幅が狭い上に途中崩壊部もあるので、その間4キロ強を歩いてしまうのが普通だ。

2010年当時初めてこの古道を探訪する前に玉里市街地に立ち寄っているのだが、その時撮影した中に、廟堂内の扁額があった。「後山保障」の文字が躍っているが、何を意味しているか?は判る。「後山」とは中央山脈東部、東海岸側の古称である。但し、何処の廟で撮影したか?は全く記憶が無い。花東縦谷国家風景区の公式サイト日本語版の「玉里協天宮」の案内に以下の下りあり:

「玉里協天宮は清国光緒元年(1875年)に建てられ、130年あまりの歴史を有します。境内には關聖帝君が主神として祀られ、またの名を「關帝廟」と言います。ここは玉里鎮におけるもっとも代表的な寺廟建築です。

ここ協天宮の由来は、八通關古道の開通と関係があります。清国同治、光緒年間、清国政府は台湾の西部と東部の往来を促進するため、1875年に南投県林圮埔(今の竹山)から花蓮県璞石閣(今の玉里)まで道路を設けました。これが現在知られるところの八通關古道です。その施工工事の際、責任者であった呉光亮が玉里に到着したところ、疫病が発生しました。そこで、これを鎮めるために、關聖帝君を祀る小さな廟が建てられ、呉光亮自ら廟の中に「後山保障」と書いた匾額を掲げました。これが協天宮の前身です。この匾額は今でも協天宮の正殿の高い場所に置かれています。

協天宮の門は伝統的な中国建築スタイルで、迫力ある二つの石獅子が門の両側に立っています。毎年農暦6月24日の關聖帝君の誕生日と7月の中元節には、盛大な祭りが行われます。大勢の信者が参拝に訪れ、廟周辺にはたくさんの屋台が並びます。各種郷土料理や玉里の特産物を味わえる絶好の機会でもあります。」

この扁額の左側に「飛虎」の署名が見える。この稿を起こす際、初めて気付いた次第。つまり、玉里市街地は、八通関越嶺道東段起点であると同時に、安通越嶺古道西段の起点でもあると云うことの証明である。(続く)。

posted by 玉山 at 00:00| 台北 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 安通越嶺古道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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