2016年10月08日
水沙連古道−9
【写真説明】左写真は現存の水沙連古道の最高点付近に立つ高圧電線架。中央写真はその高圧線鉄塔脇から古道最高点に位置する廃棄された土地公まで続く古道の様子、アスファルト道で古道の趣は失われているが、最高点だけに眺望と吹き抜ける風が、本古道の白眉を形成している。右写真はその土地公、中央写真の最奥部に位置する。
整備され里程標が設えられた水沙連古道の全長は僅か2,600メートル強に過ぎ無い。如何に高雄から離れた南投県水里とは云え、同古道への東西のアクセス口はどちらも省道沿いにある。この古道を走破するのに何と三回も通った。それ程何か特別な魅力があるのか?いやいや、痩せ我慢の奇妙な責任感の故である。
水沙連古道の里程標の距離表示は、古道西側水里市街地内二坪仔からカウントしてあり、ゼロ起点は列記とした古道口である。古道最高点は約1,200メートル付近、今は遺棄された土地公がある。
第一回踏査はこの西口から1,000メートルまで詰め引き返した。
第二回目は東側口から車で入り、古道終点2,634メートルより先(つまり西側口に向かい)も車の進入が可能なことを確認した上でドライブを継続、約2,000メートル地点付近までそのまま車で至り、雨が降っていたので引き返した。
今回三回目は同様に東口から入り、前回車で到った地点を過ぎ、2,000メートルの里程標脇にある作業小屋傍に車を停めて歩き出した。舗装されたままの古道は、結局産業道路として古道最高点を過ぎ、暫く西側入口に向かい下りに差し掛かる部分まで続いていた。つまり、車もバイクも入れない古道然とした一段は、西側起点から約一キロ強に過ぎないことを確認した。
読者の便宜に供する為に水沙連古道俯瞰図を掲載した。古道として整備された部分は、西側二坪仔と東側銃櫃を山越しに結ぶ線である。現在古道東西の入口は省道16号線と21号線が結ぶ。この間の距離は約8キロあるので、古道開鑿の意味が解る。因みに、これら二本の省道の分岐点には今でも日本時代建立の「新高山登山口」碑が現存している。同碑のレプリカはこれも同俯瞰図上に記載のある玉山国家公園管理処内にある。以上は以前本ブログ(「玉山古道−11」)でも紹介したことがある。(続く)
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