2016年06月04日
『水の古道』后里[土/川]−5
【写真説明】左写真は后里[土/川]磚橋を南側から望む。中央写真は[土/川]磚橋の近影、橋を向こう側に渡ると旧山線、全長518.6メートルの八号隧道に出会う。右写真は、旧山線と后里[土/川]の交差点、線路の向かい側が泰安旧駅方面、草茫々で最早歩けない、又、筆者の背中に八号隧道北側出入口がある。下掲左写真はその八号隧道、右写真は隧道上部に掛かる台湾総督中川健蔵揮毫の「大安洞」の額、「安洞」の部分は故意に削り取られている。同隧道南側にも同じ額が掛かると謂う。
今回紹介する后里[土/川]磚橋は、「台湾歴史建築百景」の28番目にリストアップされている。これは渡槽とは比べものにならない小さなレンガ作りの人を渡す小橋である。何故これが堂々と台湾歴史建築百景に入選したのか、結局、現地に立つ案内板を見ても判らなかった。
但し、ユニークな点はある。まず、恐らく日本時代創建であろうと云う事、后里[土/川]に掛かっている事、しかも后里[土/川]と旧山線とが交差する点に架かっている事、その旧山線八号隧道(トンネル)付近に架かっている事、序に付け加えるなら、この八号隧道は日本時代建設、南北(橋が架かっているのは北側)の出入口上部に第16代台湾総督 中川健蔵の筆に成る「大安洞」の額が掛かっている事。。。これ等を総合すると、鉄道、水路の管理、補修等に携わる人々の利用頻度が最も高かったと想像される。
泰安旧駅から歩いて行けるぐらいの距離にあるはずだと云う予想は付いていた。事実、駅からそのまま線路を南に辿れば八号隧道に往き当たり(確かにそうだ)、磚(かわら)橋はすぐ隣にあると教えてくれた現地の方も居た。
廃線となってから既に二十年以上、泰安旧駅と八号隧道の間には線路に藪が覆い被さり最早歩行不能な部分があることを実地検分出来たぐらい試行錯誤を繰り返した。最後は、車を止めた場所から数分歩いた先に拍子抜けするような感じで、本当に小さな橋が渡してあるのを確認した。(続く)
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