【写真説明】左写真は、中央金礦山屋から登り始め、最初の古道との出会い。笹の残骸が積もっており余り歩かれていないような様子を呈していた。中央写真は、バナイコからの古道へのショートカットとの出会い。ここで、古道を離れてやや急登のショートカットになり、高度を次の駐在所である躑躅山駐在所と同じ3,200メートルまで稼ぐ。右写真はこの分岐点と躑躅山駐在所間の古道の一風景、岩盤が古道開鑿の為に大きく削り出された部分。
前回記事で紹介したように、秀姑巒駐在所と躑躅山駐在所間の標高差は400メートル、この間、手元のデジカメ写真のデータだと約二時間半、この内、最初の二時間が少々苦しいの登りを伴うが、一旦3,200メートルまで稼いでしまうと、後は、南駐在所、そして目的地の便宜上古道西段・東段の分岐である大水窟駐在所までは古道はこのままの標高を維持しながら開鑿されている
中央金礦山屋からその標高3,200メートル辺りまでの段は、道幅二メートル弱は確保しているものの、踏み跡に乏しく、荒れた感じがあり、それだけに正に古色蒼然とした趣に満ち、筆者を喜ばせた。その理由は幾つかあると思う。一つは、バナイコからのショートカットが多用されている。ここを往来するハイカーの殆どがお目当てのものは古道ではなく大水窟であり、大水窟山なのだ。もう一つは、最近までかなりの期間、八通関下の大崩壊の為、東埔温泉からの入山が禁止されていたことが考えられる。いずれにしても、八通関下の大崩壊は確実に登山者のこの方面への入山の意思を挫くには十分だし、筆者自身、今回この古道西段を往復しながら、次の機会があるかな?と思い巡らしていた。
筆者の手元の市販地図帳には「躑躅山」そのものの表記は無いが、代わりに、駐在所南西に頂を持つ下躑躅山の表記があるが、標高は3,050メートルとなっており、駐在所の標高より低いことになる。躑躅山の所在は未だ明らかならず。(続く)
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