2014年04月05日
淡蘭古道−19
【写真説明】新北市石碇区も坪林区も曾ての淡蘭便道上の要所なのだろうが、雪山トンネルを擁する国道5号線、通称「北宜高速公路」が完成し高速ジャンクションが乗り入れするまでは、雪山山脈山間の日本風に言えば寒村では無かったと想像される。高速道路の効果は絶大で、週末は膨大な人と車で賑わう。左写真は、石碇区の中心街やや北側、川は其の名も景美渓、その川に掛かる同写真手前に写るのは淡蘭吊橋、復元された淡蘭古道の一部を形成する。右写真は、坪林区とその中央部を流れる北勢渓。坪林区の特産はお茶で、お茶テーマのオブジェが街中に溢れている。其の中にある坪林茶業博物館内の中庭に、既に紹介した通り、「虎字碑」(オス)の実物が安置されている。
<雪山トンネルと北宜高速公路=「新北宜公路」>
雪山トンネルについては、開通して一年ぐらいしか経っていなかった時分に、『蘇花古道−1』で「台湾の誇り」として紹介したことがある。同トンネルを擁する国道5号線、通称「北宜高速公路」、正式名称「蒋渭水高速公路」(註3)が全線正式開通したのは2006年のことである。最も新しい北宜道路はこのようにして、とうとう雪山山脈内に潜ったわけである。お陰で、台北地区と蘭陽平野を含む東海岸との時間的な距離は格段に短縮された。
同高速道路上で、北宜公路(省道9号線)に相当する部分は、南港ジャンクション(台北市南港区)と頭城料金所の約30キロの区間だ。この間を五本のトンネルで繋ぎ、そのトンネルの総延長は凡そ20キロ、その内最長のものが十三年にも渡る難工事を征し開鑿した雪山トンネルの13キロである。自動車道トンネルとしてはアジア第二位、世界第五位の延長を誇る。台湾第二の山脈下を僅か半時間で走り抜ける。
同区間に設けられたインターチェンジは石碇と坪林、週末には遊楽客で猛烈な混雑を極める。これら山間の二つの街も新北宜公路開通の最大の受益者に含まれる。他方、その陰で閑古鳥に鳴かされているのは、恐らく嘗て昼夜を問わずホットなデートスポットだったと想像される石牌県界公園である。週末の同地は満足に駐車も出来ないという噂を聴いていたが、先日とある日曜日の午後訪れたら、駐車場に留められた車の少なさに拍子抜けしたものだ。(>(メルマガ「台湾の声」2012年12月31日掲載分の一部を改編)(続く)
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