2014年01月25日
淡蘭古道−9
【写真説明】現在、亀山島への唯一の渡航港は宜蘭県頭城鎮烏石港。左、並びに中央写真は我々の乗ったフェリー「宏棋号」の船内、船上の様子。右写真は、フェリー・デッキ越しに見る亀山島。下掲載左写真は烏石港とその構内にある蘭陽博物館(対岸の建築群)、右写真は亀山島北埠頭。居住、商業活動が禁じられて久しいので、台湾本土から僅かに十キロ程度なのだが、実に綺麗な海岸だ。
<亀山島−1>
道光年間(1821〜1850年)に選定された「蘭陽八景」の一つが「亀山朝日」、太平洋から昇る朝日と亀山島の取り合わせの美しさを賞でたものだ。これは今も変わらない。蘭陽平野から太平洋を望んだ時に、亀山島の有無はその景観に大きな影響を及ぼすのではないかと思える程にユニークな島影である。尾が西、つまり本土側を向き頭が東を向いているので、何処から眺めても亀の形とはいかないが、緯度上は蘭陽平野の北端になる頭城鎮中心部の真東沖合にあるので、少なくとも宜蘭市を含む蘭陽平野中心部からは亀の形を楽しめる。いずれにしても、眺める場所に依り島影が大きく変化するのも宜蘭の海岸線を移動する際の楽しみの一つだ。
宜蘭県頭城鎮が所管する亀山島は、同島への唯一の渡航港である烏石港(宜蘭県頭城鎮)から直線で約10キロ、フェリーで四十分前後の距離にあり、海岸線総延長約9キロの無人島である。亀山島側には亀の尾を形成する長い砂州の南北両側に埠頭があるが、現在使われているのは北側埠頭のみである。この両埠頭間、つまり島の西側であり台湾本土に面した側に嘗て村落が存在した。無人島と云っても、実際は海岸巡防署安検所所員や国家風景区管理処処員が詰めており、通常三月初日から十一月末日まで上陸が許可されるシーズン中は遊楽客がどっと押し寄せるので、通常の無人島というイメージからは随分掛け離れている。一般人の居住、商業活動が禁じられているという意味である。又、海岸に温泉の湧き出ている箇所があり地理学的には休火山島である。(>(メルマガ「台湾の声」2012年11月10日掲載分の一部を改編)(続く)
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