2013年08月31日
蘭嶼−16
【写真説明】左写真は蘭嶼灯台の正面、薄暮の上、逆光。中央写真は、相愛山と開元港内の旧灯台(?)右写真は後壁湖港の灯台と墾丁国家公園の象徴、大尖山。
島と云えば灯台である。蘭嶼の記事の締め括りは灯台で閉める。
こんな一文を文頭に持って来られるのは、台湾で初めて灯台を意識したからだ。それは一つには台湾の灯台は麗しの海洋を背にした非常に美しい建築物であることを発見したこと、加えて、台湾の灯台の多くが日本時代の遺構(新築、修復・改築)であることを知ったからだ。これまで何回か以下の表現を繰り返したことがあるが、今現在も台湾の山と海を押さえ国家の佇まいを為さしめているのは、これら日本時代の三角点と灯台である。尚、台湾の灯台を理解するのに一番のガイドブックは遠足文化事業出版の『台湾之燈塔』である。
蘭嶼灯台は、ダイヤグラムを見ていただければ判る通り、島の北西の狭い台地端にある。開元港から環島公路を北上、やがてこの幹線道路を離れその台地側面に大きく之の字を描く道路を延々と登り詰める。
1982年建立、台湾で一番海抜の高い灯台という案内が定番だ。現代台湾国語で日本語の灯台を燈塔と表記するように、所謂灯台公式用語は若干の相違がある。「海抜」とは平均海面から照射灯までの高さであるが、台湾版ウィキペディアでは、「灯高」の表記になっており、「海抜最高」の備註がわざわざ付けてある。日本語の場合は、ストレートに「標高」である。蘭嶼灯台、つまり台湾一の標高は216.5メートルである。
灯台は一般に開放されていると私は勝手に思い込んでいた。従って、夕方の薄暗がりの中、蘭嶼灯台に辿り着いた時に門が締まっていたのは当然と考えていたわけだ。しかしながら、台湾の灯台の中で実際一般に開放されているものは少ない。三十五基の内、僅かに七基に過ぎない。蘭嶼は元々一般開放対象外だった。(終り)
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