2013年08月24日
蘭嶼−15
【写真説明】左写真は蘭嶼天池登山口を俯瞰する。二枚目は天池に至る登山道の様子。右二枚は早朝の湖面。下掲の三枚はその天池周辺で出会った森の住人達。左写真はタニシの卵、中央写真は、そのタニシの殻を拝借したヤドカリ、右写真は淡い緑が混じっている為に逆に白地が強烈に鮮やかなカタツムリ。
<天池>
台湾国語で「天池」という場合、高山湖泊を指すのが通例だ。例えば、別ブログ『台湾百岳』で紹介した嘉明湖は代表例だ。蘭嶼にも天池があるが、島の最高点が500メートル程度の標高しかないので、海抜340メートルの湖沼を高山湖泊と称しても構わないと思う。
蘭嶼では、海岸部を除けば恐らく一番人気の観光スポットだと思うが、湖沼が鬱蒼とした原生林に囲まれているとは云え、そこに至るまではかなりの急登を強いられる。太陽が出た後、登山口に立つ勇気はなかなか出ない。ということで、私も未だ暗い内に宿を出て青青草原の環島公路向かい側から登り始めた。
少々驚いたのは、火口跡に水が溜まり廻りをぐるりと火口壁で囲まれ、外界とはかなり明確に遮断されているように思えるのだが、水生生物が豊富なことだった。海に囲まれた中の淡水湖というのは一層の爽快感がある。
ピンクの塊は、余りにも毒々しく物騒な化学物質を想起させるのだが、前々から台湾の各地で見て来たこれらの塊が実はタニシの卵であることを知ったのは蘭嶼を後にしてからである。父は庭の池に盛んに特大サイズに成長するタニシを投げ込んでいたが、生物の卵とは俄かに信じ難い物質を日本に居る際に意識したことは無かった。
この記事を書くに当たりネットを渉猟していると、蘭嶼には大小二つの天池が存在することを発見した。現地に居る際はついぞ見聞する機会が無かった。一番人気の方は通称「大天池」、島の南東に位置するが、もう一つは「小天池」、島の北西部に位置するが、後者は既に草原化している模様だ。(続く)
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