2013年08月03日
蘭嶼−12
【写真説明】左写真は、椰油国民小学校裏にある紅頭山への登山口。中央写真は登り始めるとまず遭遇する草原。右写真は登山道中のサトイモ水田。同写真左奥に写る岩礁は饅頭岩、ヤユウ部落の象徴。右写真は頂上直下のジャングルの様子。下掲左写真は、紅頭山頂上と二基の三角点、中央部に写るのが一等、左手前に写るのが三等基点。右写真は紅頭山頂上から北東方向を俯瞰、僅かだが白色の構造物を頂上に頂くのは測候所、測候所越しに手前奥本嶺(標高300メートル)と向こう側に大森山(同310メートル)を見る。海上に浮かぶのは小蘭嶼(同175メートル)。
<紅頭山>
「蘭嶼−1」で若干説明したように、蘭嶼の最高点は紅頭山、標高552メートルである。最初に上陸した時、紅頭山に登れるか?と宿の主人に訊いたら、今はそんな所に登る人は無いし、譬え登れるにしても登山口は判らないと言われた。猛烈な暑さに嬉しがっている一方では、その暑さの中、しかもジャングルの中を、少なく見積もっても数時間は徘徊しなければならないであろう過酷さを想像すると、あっさり引き下がった。二回目に上陸した時、断然、この筆者の前世の出生地と決めたこの島の最高峰にして台湾小百岳の一座である紅頭山へ登ることに決めていた。というのは、そう決めてから台湾のネット上で山行記録を探すと、出るわ出るわ、台湾小百岳に登る台湾人がいないことが異常なのだ。件の宿の主人には一杯食わされたことになるが、山登りに興味が無ければそんなものだ。
さて、調査段階で判明した驚きの事実が一つ―周囲四十キロ程度の蘭嶼には三角点が二十基も存在するということであり、三角点ハンターは最高峰のみならずこれらすべてをカバーする登山を試みているということだった。しかも、最高峰紅頭山、並びに、「蘭嶼−9」で紹介した大森山の二座は一等、三等の両基の基点を擁することも判った。更に、通常、紅頭山と呼び慣らされているが、正式な基点名は「紅頭嶼」、日本時代の命名をそのまま引き継いでいる。尚、二基の三角点の存在の意味は少し調査すれば判ると思うが、判明した時点で紹介することにする。
蘭嶼の山々に敬意を表し、又、命名が非常に興味深いものがあるので、標高が四百メートルを超える山々の山名、等級、標高を記しておく;
紅頭嶼、1、552メートル
紅頭嶼、3、551メートル
相愛山、3、511メートル
殺蛇山、3、498メートル
大森山、1、483メートル
大森山、3、474メートル
尖禿山、3、465メートル
青蛇山、3、442メートル
山田山、3、437メートル
飯山、3 、410メートル
登山口はヤユウ国民小学校裏の環島公路を隔てて向かい側に開いている。これは少し注意して見るとすぐ判る。そこから暫くはヤミ族の開墾した畑を抜け、最後のサトイモ水田を過ぎると、いよいよジャングルの中の急登になる。初登の場合、何処の山に登るのもそうだが、行けども行けども頂上らしきものを目前にして気も急くばかりでなかなか基点に出会えない。紅頭山も同様である。それでも頂上に辿り着いたら登山口から数えて一時間半しか経っていなかった。(続く)
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