2013年06月29日
蘭嶼−7
【写真説明】「タタラ」(と「チヌリクラン」)はヤミ族の伝統ボート、観光用なら蘭嶼の六か村のすべての海岸に置かれている。赤、白、黒を組み合わせた意匠と色彩は実に強烈、左写真は東清湾に面したイラヌリミク村の浜辺に置かれたタタラ。中央写真は蘭嶼郷公所(役場)の入口のゲート。右写真は蘭嶼飛行場ビル、いずれもタタラ(チヌリクラン)の意匠。下掲載の右写真は、私を観光用タタラに載せてくれたイラヌリミク村の兄ちゃん。今は半時間で400元(NTドル)程度が相場か?右は同じイラヌリミク村の浜辺に係留されている観光用チヌリクランで遊ぶ子供たち。
<タタラ>
島内六村の日本時代と現在地名の比較は以下の通りである。蘭嶼の玄関口である開元港(西海岸)を起点にして、南、東、北(地図上では半時計周り)の順である。環島公路と通称される屏東県郷道80号線が周廻道路であり、すべての集落はこの周廻道路上に点在している。又、紅頭村と野銀村を郷道81号線が山越で80号線と繋がっている。基本的にはこれが蘭嶼の全自動車道「網」で、例外は80号線から分岐し島の最北端にある灯台まで繋がる自動車道のみである。
ヤユウ、椰油―開元港、蘭嶼郷公所
イラタイ、魚人―蘭嶼飛行場
イマウルッル、紅頭―日本時代に最初に駐在所、蕃童教育所 (紅頭嶼教育所、現在の蘭嶼国民小学校=既に廃校、東側に 移転)が置かれる。大型商業宿泊施設あり。
イワギヌ、野銀―タオ族の伝統家屋群
イラヌリミク、東清―島内人口最大の村落
イララライ、朗島
東清村では、観光用のタタラに載った。六つの村落の中でこの村が最も多く観光用の伝統漁船を擁しているように見えた。恐らく村落前に開けた海岸が一番広いからだろう。白をベースに赤と黒で彩色されたこの夙に有名なタオ族の竜骨を持つ寄せ板造りの舟は、3メートル程度の2〜3人乗りをタタラと称し、7メートル程度の10人乗りをチヌリクランと称している。「タタラ」の音(おん)を聞いた時、私は或る偶然に小躍りする。というのは、私は大学時代、ボート部に属しており、タタラ川でタタラと名の付いたボートを漕いでいたからだ。博多湾(福岡市)に流れ込む多々良川のことである。タタラは現代ボート競技で云えばダブル・スカルぐらいに相当することになろうか。チヌリクランは差し詰めエイトということになろう。>(メルマガ「台湾の声」2012年05月01日掲載分の一部を改編)次回へ続く...
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック