2013年06月15日
蘭嶼−5
【写真説明】蘭嶼では、半家畜半野生とも謂えるヤギは至る所を闊歩している―自動車道、磯辺、山中。。。左写真は野銀(イワギヌ)部落近くで撮影、まるで(筆者の想像上の)アフリカ・サバンナの中を三々五々往く様。中央写真はイワギヌ部落と東清(イラヌリミク)部落の途中にある自動車道上に掛けられた橋の欄干を日除けにして休息中の一群。右写真は龍門港付近の海岸を一族郎党を引き連れながら渡り歩く飛び切り立派な角を擁するボス。
<ヤギ>
フェリーが蘭嶼の玄関口、開元港に近着き、鮮やかな緑の滑らかな山肌が目を射るようになると、まず私の頭の中で響き始めたのは「バリ・ハイ」、1949年初演のブロードウェイ・ミュージカル「南太平洋」の中のナンバー、尤も私が記憶しているイメージとサウンドはその後1958年に映画化(註4)されたものであるが。それらのイメージは同時に私の南洋でもある。ああ、とうとう南洋の島に来た!
台湾本土の人気観光地を巡る足はとうに環境に優しい自転車に取って代わられた。無論、台湾大手自転車企業の成功もそれを後押ししている。台湾の島嶼を巡る観光客の足はまだまだオートバイ(日本で云う原付に加え、更に排気量が高いものが多い)が主流。但し、免許証を提示する必要は無い。殆ど日陰の無い周囲40キロの島を二日足らずで全部廻り切り、且つ興味のある場所を複数回探訪し直すには、自転車では体力が持たない。
開元港に着いてまず驚かされたのが、炎天下、テトラポットの上で思い思いのポーズで佇むヤギ。ヤギは野生ではなくすべて飼い主が明確になっているそうだ。昔から大事にされてきて、重要な祭事に供する以外には屠殺しないとのこと。この後、全島で自動車道を闊歩するヤギを見ることになる。開元港で遭遇したヤギは暑さをものともせぬ風情であったが、別の場所で遇った一団は、橋の欄干の袂、僅かに日陰になった場所を求め、ずらり一列、腹ばいになって休んでいた。>(メルマガ「台湾の声」2012年05月01日掲載分の一部を改編)次回へ続く...
(註4)ハワイ諸島最北端のカウアイ島がロケ地。
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