2013年06月08日
蘭嶼−4
【写真説明】常に揺れ続けるフェリー上から飛翔中のトビウオを撮影するにはそれなりのカメラと機材が必要であろう。残念ながらそのような贅沢は享受出来そうにないので、ここに掲載したような写真で我慢して貰いたいし、トビウオは日本のサイバー空間をも縦横に飛翔しているので、そちらを参照して欲しい。左写真は、野銀(イワギヌ)部落と東清湾を見渡せる自動車道脇の街燈の意匠だが、もう胸ビレが脱落している。中央写真は青青草原内にあるヤミ族伝統スタイルの兄ちゃんモニュメント。右写真は東清(イラヌリミク)部落浜辺に立ててあった竹竿に掛けられたトビウオの頭骨と胸ビレ。何らかの呪(まじない)の類?
<トビウオ>
フェリーに同乗している人々が口々にトビウオが見えたと言い出し始めた。私には一向に見えない。随分後になって私には何故見えなかったのか?合点が言った。私はトビウオに対し固定したイメージを持っており、そのイメージに合致したものを懸命に海上に探し求めていたからだ。
全長30〜40センチは食卓に乗るサンマと同じ程度だから目の前にある限りは相当大きい。ところがこの程度の大きさは大海原では点でしかないことがまず大きな誤解。
トビウオはそう呼ばれるぐらいだから、文字通り飛ぶわけだが、私の中の飛ぶとはイルカの跳躍、つまり、飛ぶ、或いは翔ぶでは無く、跳ぶをイメージしていた。ジャンプしては海に暫く潜り又ジャンプを繰り返す。。。
初めて目撃出来た時は、予め強固に形成されたイメージと余りにも掛け離れており拍子抜けした。そう、文字通り、飛んでいる、小鳥のように―すぐに想起したのは、嘗てアメリカに住んでいた時分によく庭先で見掛けたハチドリ(ハミングバード:最も個体の小さな鳥類グループ)であった(註3)。>(メルマガ「台湾の声」2012年05月01日掲載分の一部を改編)次回へ続く...
(註3)ハチドリは南北アメリカのみに棲息。日本でハチドリの飛翔を想像する場合は、夏の夕方、花の蜜を求めて飛び回るスズメガ類を思い浮かべればよい。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック