2013年04月20日
苗栗獅山古道−6
【写真説明】獅山古道最下段途中に架かる石橋、「せいきょうばし・清境橋」。左写真は旧登山口(古大門)を背にして同橋全体を撮影、中央、並びに右写真は、同方向から左右の親柱(橋柱)を撮影、右親柱上「せいきょうばし」の実に優雅なひらがなが眩しい。右欄干には「清境橋」、左欄干には「大正九年春月竣工」と刻まれ、今でも明瞭に読み取れる。
勸化堂下には広い駐車場とそれに続く自動車道がそれより下に続く古道の入り口を実に判りにくくしている。一つには指導標が無い。随分迷い、色々な階段を上り下りさせられた。漸く前回記事上掲右側写真の階段に出会い、間違いなく古道に回帰したことに安堵した。
そこからの獅山古道たる石段は、獅山古道最高点望月亭から勸化堂に至る石段に比べれば、表参道然として格段に広く緩やかになった。この古道最下段になる勸化堂下から旧獅頭山登山口、即ち、古山門、或いは旧登山口牌楼へ至る一段は1キロ弱、其の途中で小さな修復された石橋を渡る。
元々はもっと幅の狭い橋面敷石であったと思われるが、その敷石が崩落し両側の欄干部のみ残されたので、その残存した欄干を無粋な現代石材の上に無造作に載せる形で修復・保存されている。欄干の低さに比して敷石の幅が広過ぎてオリジナルの趣はかなり失われたが、小さな獅子が今にも噛み付かんばかりの躍動感を持ってハイカーを迎えてくれる上に、既に架設後深い森の湿潤の中に九十年以上も佇んで来たにも拘わらず、欄干に刻まれた日本語は今でもはっきりと読める。思わず、貴きものを拝見させていただきました、という気分になった。(続く)
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