2013年04月12日
苗栗獅山古道−5
【写真説明】獅山古道最高点である望月亭から獅頭山南腹へと古道を降り始めると、それまでのコンクリート基体の自動車道から、苔生した、雨でも降ると可也慎重な歩きを強いられる石の階段に切り替わり、やっと古道らしさが醸し出される。古道を500メートル少し下ると、獅頭山核心部、勸化堂開善寺に至る。核心部と書いたのは良いが、実は私にはこの核心部が仏教のお寺なのか、道教のお寺なのか?判らないのである。獅頭山南斜面に堂々と鎮座する規模壮麗な建築群である勸化堂は、「苗栗獅山古道−1」掲載の写真やここに掲載した左写真のように明らかに道教のお寺である。
「勸化堂開善寺」と書いたが、これは追って紹介予定の、誠に由緒正しき旧山門脇にそう日本時代に刻まれた碑が立っているのでそのまま借りて来たものだが、実際は、勸化堂と開善寺は別物だ。残念ながら私は開善寺の方まで廻ってみたかどうか?記憶が定かではない。尚、左写真奥に写る岩壁は獅山大石壁と称されている。
獅頭山中には、古山門、北天門、南天門、紫陽門、道徳門、清虚門、浄土門の七大山門が構えているそうだが、中央写真に写る勸化堂へ至る「紫陽門」が、最重要山門なのだそうだ。山門の重要さの基準は判らないが、獅頭山山中の伽藍群で最大規模の構造物への入口という意味であろう。私が古道を降りてこの門を潜った時は、修復が殆ど終わり掛けていた。「紫陽門」額右横には「大正五年」(1916年)の銘が残されている。「紫陽」とは、紫雲―陽彩の組み合わせから。
下掲写真に写る望月亭から勸化堂へ至る石段は狭く踏み板も幅広だが、勸化堂から今は古山門とも称される苗栗県道124号線沿いに立つ獅頭山旧登山口牌楼へ至る古道に付設された石段は、右写真に見るように幅が大きく広がり、逆に踏み板を狭くした精緻な構造に採って替わられる。勸化堂下には広い駐車場が確保されているので、この部分の古道を歩く人は少なく、お陰で途中の休憩施設は荒れ果てていたのは残念だった。(続く)
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