2007年01月23日
浸水営古道−8
【写真説明】1月であったが、浸水営古道の沿線には何種類もの蘭が花を付けていた。その中から四種類を選んだ。三種かもしれない。私の父は蘭には詳しく自身で山に分け入りよく採ってきては家の庭に植えていた。今では違法行為であるが、私もそのお供に与った。もう三十年以上も前の話である。それらの蘭は今でも父の庭で花を咲かせる。それ故、蘭には愛着があるが、父のように蘭を耽溺する程までには到らなかった。従って、ここに掲載した三種、乃至は四種の蘭の名前は判らない。
その当時、山にブルドーザーを持ち込み根こそぎ野生の蘭を乱獲することは日本では堂々と行われていた。台湾の野生蘭は約500種に及ぶと云う。日本人の業者が戦後も台湾の蘭を乱獲したことは容易に想像出来る。同じように台湾の蝶も同じ憂き目に遭ったはずである。それだけに、台湾の山々に登り始めた当時、蘭に出会えたのは不思議な気がしたし、改めて蘭の花の可憐さに感じ入った。
父は定年退職後は蝶の採集に凝った。今はもう捕虫網を持って蝶を追いかけ廻す体力はない。蝶にのめり込んだのは相当遅かったわけで、「後十年早く蝶に出会えていたら」というのが父の口癖である。それでも膨大な標本が集まった。台湾の蝶は台風に乗り鹿児島県本土まで辿り着く。辿り着いた所にその蝶の好む植生があれば繁殖可能だ。これを迷蝶と呼ぶようだ。父の標本の中にも台湾の迷蝶があるはずだ。
蝶キチガイは必ず台湾に行くのが嘗ての相場だったが、今はどうだろうか?台湾の蝶は今では当然捕獲禁止である。父は幸か不幸か、その機会は無かった。私は、幸運なことに四季を通じて台湾の蝶を鑑賞できる。子供の頃、昆虫少年を自認していた私は、蘭とは異なり、蝶の名前は大概判る。浸水営古道を東側から辿った時に、その登山口のチアチアカトアン渓の川原で、蝶の渡りを研究してるのだという一団に出会った。(終わり)
この記事へのトラックバック
台東の卑南文化公園に行った時の事です。
大きな木の葉の中に何か白い塊が見えました。途中まで近付くと、それは花だとわかりました。しかし、普通、花は木の全体にバランス良く配置されていますが、それは木のある部分にだけに咲いているのです。傍まで行くとそれはなんとカトレア(たぶん)だったのです。白い大きな花の縁はフリル状でした。それは木に着生して付け根から先まで同じ太さの根を何本も木の幹に這わせていました。公園のほかの木を見ると、そのような状態のものが何本かありました。それは人為的に着生させたものか、自然のものか分かりませんが、日本では大事に保護されているものが、強い日差しの中で『あっけらかん』と咲いていることに台湾を感じました。
蘭を食べるということはご存知ですか?
去年の4月、山梨で初めて春蘭を食べました。7p程の茎の上に2,3pの花が付いていました。甘酢和えだったからか、春蘭そのものの味は良くわからなかったのですが、しゃきしゃきした歯ごたえは美味しかったです。それは栽培ものか自然のものかわかりませんし、どのように生えているかも分かりませんが、名前が春蘭だし、形も蘭のようでしたので、蘭の仲間だと思います。美しいものを愛でる話なのに、それを食べる話に変えてしまって申し訳ありません。しかし、美しいものを身の内に取り込みたいという感覚はあると思うのです。私は以前、陶器の青花を見て美しいと思い、その陶器と溶け合いたいと思ったのです。そのことをある人に話したところ、その人は美しい陶器を見ると食べてしまいたいと思うそうです。
『蘭をブルドーザーで・・・』信じがたいことです。初めて聞きました。泥まみれの花はどうなるのでしょう?そして、そのようにして採ったものを知らずに買っているかもしれないのですね。
蘭の世界も非常に奥が深く、単語の扱いにも注意しなければ専門家の方に即座に注意を受けるかもしれませんが、ここは素人同志の遣り取りと行きましょう。例えば、台湾の野生蘭は約500種と書きましたが、約300種ぐらいという説明もありますので調べてみる必要があります。
恥ずかしながら「カトレア」が何かというのを知らず調べました。ウィキペディアに拠ると「中南米原産のラン科に属する植物の1群」で日本では「洋ランの代名詞」とあります。但し、実際市場では本来の意味での「カトレア」に拘らずに広範囲の洋ランがカトレアの名で取引されていると思いますし、毎年人工交配で新作がどんどん増えているのだと思います。
メイウェンティさんが台東でご覧になった同じものは、私も台湾各地で見掛けたことがあります。外来種なのか、台湾原産を改良したものかは判りませんが、明らかに人為的に植え付けられたものだと思います。但し、台湾の野生の蘭で木に植生するものはありますが、簡単には人の目には留まりません。私もこれまで二回だけ見掛けたことがありますが、樹上遥か上にあったのでどんな花を付けているのか判然としませんでした。
台湾でよく見掛ける同じように木に人為的に植え付けられている植物は、日本ではオオタニワタリ(或いはそれと同じ科、或いは属のもの)と云われているものです。野生の立派なものは台湾では山に入れば普通に見られますが、何故オオタニワタリに対してこのようなことをするのか?は判りません。多分、「収穫」の為?食材になり原住民の方の換金の手段ではありますが。
ところで、私がブログで紹介した台湾の蘭とは、日本の古来種と云われる「エビネ(海老根)」(ラン科エビネ属)と同一か、それに近い種です。本来の東洋蘭は葉がほっそりしていますが、エビネは写真で見るようにまず葉に特徴があります。「ブルドーザー」の話は私が父の話を覚えていたのですが、実際1970年代に日本では「エビネ・ブーム」が起こりこの時粗方採り尽くされたようです。
昨年日本のテレビを見ていたらこんな報道がありました。カブトムシ、クワガタムシは昨今外国から大振りのものが持ち込まれ、大人の間でもそれらの飼育がブーム、日本原産のものは著しく市場価値を落としているのだそうです。然る業者に言わせれば二束三文の日本のカブトムシ、野生のものがまだ豊富に採れるという場所を聞き付けた業者が夜な夜な出没するので地元の心ある人がパトロールに廻っているというものでした。日本人は「公共」の意識の高い国民だとよく言われますが、どうでしょうか?
蘭を食べる?私は知りませんでした。葉はどんな形をしていましたか?(終)
野生で咲いている花はとても凛としている中にもたくましさを感じます。
私は北海道に住んでいるのですがこのような野生の
花を見かけることがよくあります。
高山植物といわれている『カタクリ』などです。
去年の春に我が家のすぐそばの山でみかけました。
すぐそばに『行者ニンニク』がありそれを採取する
ために山へ入っていました。行者ニンニクはニラのような味で栄養たっぷりなんです。
メイウェンティさんが食べていた春蘭もなんだか栄養がありそうですね。
観ても食べてもカラダが綺麗になりますね。
『ウィキペディア』は植物図鑑?などと思いながら、Googleで検索しました。ネット上の百科事典なんですね。びっくりしたというより、ちょっと恐怖を感じました。あらゆることがあれで調べられる。便利といえば便利なんですが、全てが一箇所に取り込まれる、閉じ込められるというイメージを持ってしまいました。先日のテレビ番組『NHKスペシャル グーグルとは』で、Googleの検索結果の順位の決め方等が明らかにされていないので、順位をめぐる攻防で企業が色々と策を講じているとか、Googleと争いになって順位がとても低くなったとかいうものでした。1箇所に情報が集まるというのは検索するのにとても便利です。しかし、それは一方で支配、被支配の関係(番組でこの言葉は使っていませんでした)を生むことになるんですね。ウィキペディアに対してちょっと怖いと思ったのはこのような番組を見た所為かもしれません。
『カトレアは人為的と思われる』ですか。やっぱりという感じです。以前十分瀑布に行った時、そこの川岸の広場に三国志に出てくるような石造が幾つかあったのです。何でここにこんなものが?と思いました。さらに、棲蘭山荘、明池山荘、武陵農場等に泊まってみたいと思い、調べてみると、それらの建物は木屋という何風というのか、その場所にそぐわないと思われるものです。どちらももっと自然に溶け込むというか、風景の邪魔にならないものにしてほしいと思いました。去年の秋、中華民国のHPに温泉整備費が計上されて整備が始まると出ていたので、上記のようなことを書いてメールしましたら、然る所に転送したと返事が来ました。
カブトムシ、クワガタ騒動は変ですね。ほしいから買うという発想がそもそもおかしいと思います。それらの虫はいる所に行って捕るもの、できなければ然るべき所で見るものです。と言っても既に商品として流通しているのですから、せめて私の関わる範囲だけにでも「変だ」と言っていきたいと思います。
あの春蘭は本当に蘭だそうです。葉も細いものでした。そして、その蘭は家の周りに生えていて、栽培ではないと言っていました。今は葉が出ているだけで、春になると蕾の付いた茎が出てくるとのことです。そこは、標高800mほどのところですが、もう少し上のところにもあるといっていました。ただ、同じ標高でも、土の質が違うのか移植しても枯れてしまう場所もあると言っていました。千葉でも見たことがあるので、必ずしも標高が高いところが良いとは限らないと思うとのことです。
春になって花が咲いたらまた電話をくださるそうですので、その時には行ってみようかと思っています。
「ウィキペディア」は日本語では既に20万語以上も公開されているそうで、正に百科事典そのものですね。参加型というのが新しい試みなのでしょうが、ネットで公開される情報にありがちな虚偽、誹謗、中傷等を防ぐ体制が取られているようですので安心して使えるとは考えています。但し、各語に付してある説明が必ず正しいかどうかは、使う側の判断で怪しいと考えたら複数のソースに当たるべきです。メイウェンティさんの場合「ウィキペディア」を透してネット社会の危うさを感じたように、ネット上で公開される様々な媒体は正に両刃の剣、功罪こもごもです。便利さの裏側には必ず負の部分が潜んでいるわけで、書き込み等を通じてネット社会に参加するのであれば、自身を防御することを考えなければなりません。ブログとて同じだと思います。
「春蘭」という言葉、私は単純に「春に咲く蘭」=「はるらん」などと読んでしまいました。「春蘭」で検索するとずらずらと出てきましたので、「春蘭」が蘭の或るジャンルを占めるよく知られた単語であることに初めて気付いた次第、音読みするのが正しいというのも初めて知りました。幾つかのサイトを覗いてみましたが、いやはや蘭愛好の奥は深いようです。次回山梨に春蘭を見に行く機会があれば、その花の写真をお願いします。
「棲蘭山荘、明池山荘、武陵農場等に泊まってみたいと思い、調べてみると、それらの建物は木屋という何風というのか、その場所にそぐわないと思われるもの」とコメントに関してですが、確かに観光地の建築物はセンスがないのが多いかもしれませんが、これは台湾人のアイデンティティーに起因する部分が大きいかもしれません。原住民の場合、今は原住民としてのアイデンティティーを持ちやすい世の中になりましたが、その他の台湾人に「台湾風」を形にしたらどうなるの?と質問したら恐らく答えられないだろうと思います。日本人なら割と容易ですね、「日本風」「和風」を形で表現するのは。木造建築物なら観光客の目を引く為に多くが日本風に仕立てられるのが今の台湾のブームのようですが。(終)