【写真説明】獅仔頭山稜線の最高点は一等三角点のある山頂ではなく、獅頭の登り切りである。左写真はその指導標、中央写真は獅仔頭山三角点、右写真は三角点付近の木立の表示板。前峰の方が8メートル高いことが判る。左二枚は2008年、右写真は2012年撮影。
<新店獅仔頭山>
獅仔頭山は新店市街の南西に位置し、新店市内を流れる新店渓沿の省道9号甲線を烏来温泉方面へ少しだけ南下し、新店渓を渡り西側山中へ入る自動車道を辿るか、新店市街から直接山中に入る自動車道を辿る方法があるのだが、山中を走る道路は複雑なので予め台北市、新店区の登山同好会とか登山用品店に問い合わせるのがよいかと思う。筆者の場合、9号甲線を南下、屈尺から入った。登山口は二箇所あり、獅子の頭側から入る方法と獅子の尻尾側から入る方法がある。どちらの登山口へも新店市街から一時間半程度で辿れる。
という具合にさらりと書いてしまったが、実は大いに迷った。一回目は上述のように烏來温泉に至る途中にある屈尺から平廣路を只管辿り、途中誰かに出会う度に行き先が正しいか?を確認しながら漸く東側入口に辿り着いた。新店市街地から新潭路を南に向かい忠実に辿れば東西両方の登山口に至るのだが、まず、その薪潭路が探し出せない。しかも山間の道で恐ろしく蛇行している。二回目はこの新潭路を辿り登山口に至ることを目論んだがすぐに断念、又もや、一回目と同じ不安に駆られながら、平廣路を辿った。両回とも帰路は新潭路経由で直接市街地に抜けた。
大台北の山行愛好家の間では新店獅仔頭山は是非登るべき一座に数えられているそうだ。一つは、新店区の最高峰であること、二つ目は台北圏の山では数少ない一等三角点を有すること、三つ目は「台湾小百岳」(註)に選定されていることだ。
加えて、彼らがもう一つ挙げている理由は、獅子の頭部に相当する山塊の斜面に設けられた木製階段の長さと垂直度。なかなかスリルがあるが、極めて安全なので恐れる必要は無し。>(メルマガ「台湾の声」2008年6月21日掲載分の一部を改編)次回へ続く...
(註)「台湾小百岳」は2003年行政院体育委員会が選定。選定条件は、山容が特殊で展望が良いこと、交通の便が良く、登山道が整備されていること、更に、台湾各都市近郊に位置していること、等であった。因みに、「台湾百岳」の方は1971年、当時の台湾省体育会山嶽協会(現在の中華民国山岳協会の前身)が標高3,000メートルを超える山岳の中なら選定。その後の測量の結果、一座だけが3,000メートルに満たない。
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