2010年07月24日
『水の古道』白冷[土川]−6
【写真説明】「台湾建築百景」の名を汚すような誠に不出来な写真を三枚並べる。抽藤坑渓2号管と称される巨大なサイフォン、全長約350メートルは、極東随一のサイフォンだそうだ。ところで、この「極東」は日本語であり、英語のFar Eastの訳語である、というのまでは知っていた。実は、この単語、台湾のサイトにある白冷[土川]の説明中に「遠東」とあったのを私が勝手に「極東」としたのだが、間違いはないと思う。極東を「東洋」、或いは「東アジア」と置き換えてもいいのかもしれないが、通常アジアと呼ぶ場合、漠然と中東を外して考えているので、アジア一番でもいいのかもしれない。因みに、中国では専ら「東方」の単語を充てるようだ。
写真に写る緑色の管が日本時代のもの、921地震で破損した為、隣の水色の管が敷設された。緑色はその際に塗り替えられたようだ。撤去するのが面倒だったからか、或いは新管を敷設するのに特別に足場を組む面倒が省けたからか、はたまた、貴重な歴史遺産をきちんと残そうともともと考えていたのか?いずれにしても、当時アジア一番だったサイフォンは古蹟としてこの地に残ったわけだ。現代の日本人が知ってもよい構造物である。
最後に「台湾建築百景」について。これまでこのサイフォンのみがその指定を受けているかのような書き方をしてきたが、実際は以下の三つの構造物が「白冷[土川]」として百景に指定されていることが判ったので記しておく。
-5号渡槽(福興水橋)[白冷[土川]−1参照]
-日本時代の取水口[白冷[土川]−4参照]
-抽藤坑渓2号管サイフォン
(終わり)
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この3号管のサイフォンの落差は90メートルあるそうで、取水面からの落差は判りません。(了)