2009年12月05日
関山越嶺古道−6
【写真説明】左写真は大関山トンネル東側口近くにある関山嶺山への登山口、関山越嶺古道の最高点に到るには、この梯子をまず登る。中央写真はその登山道を登り詰め古道最高点付近にある、関山越嶺登山者向けの里程標。但し、これが無くとも急登してきて稜線、或いは鞍部に出た地点なので最高点は誰でも判る。右写真は、古道最高点、つまり嘗ての高雄州・台東庁の州界、今は高雄県・台東県の県境から東側を望んだもの。同写真に写るのは嘗ての警備道、今は登山道で、この道はそのまま大関山トンネル東側に下りていくが、警備道は写真左側奥へ回り込んでいたのだが、今はその痕跡を探すのは難しい。
[古道核心部-旧警備道最高点-1]
大関山トンネルは、この稜線の最低部、具体的には塔関山と関山嶺山との間の最低鞍部下約二百メートル地点を貫いて南横の東西段を繋いでいるが、日本時代の警備道は、この最低鞍部地点(標高2,930メートル)を越えており、そこが同時に警備道の最高地点だった。当時はこの最高点に高雄州・台東庁の州界碑、休息所、及び見張り所が置かれていた。
因みに、台湾の山岳愛好家の間では中央山脈を幾つかの段に分けて話をする機会が多い。例えば、南一段全縦走とかいう具合にだ。「南一段」と「南二段」の境を何処に置くかは色々意見があるようだが、大関山トンネル、つまり塔関山と関山嶺山の最低鞍部をこれら二段の境界にする人もいる。この区分けは地理学的には妥当かもしれない。
幸運なことに、今でもこの嘗ての警備道の最高点に難無く立つことが出来る。しかも少しばかり冒険心を発揮すればこの最高点に繋がる西側古道を少なくとも数百メートル辿ることすら出来る。
関山嶺山への登山口は大関山トンネル東側入口(出口)の道路脇にあり、しっかりした木製の梯子が付けられているのですぐ判る。少々足に自信があれば登山口と頂上の往復で約三時間、所謂日帰り可能な百岳なので、休日は多くのハイカーで賑わいう。小さな子供連れのハイカーをよく見掛けるので、天気さえ良ければ誰でも登山可能だ。>(メルマガ「台湾の声」2009年5月9日掲載分の一部を改編)次回へ続く...
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