2009年05月23日
蘇花古道−16
【写真説明】新城は嘗て第四代台湾総督佐久間左馬太の号に因む研海支庁の庁舎が置かれた場所である。当時の建物は残っていないが、庁舎を囲んでいた門柱、コンクリート塀は当時のままである。右写真は研海支庁舎を襲った警察署。中央写真は当時の門柱と塀。右写真は、警察署の向かい側に残る廃屋となった新城村弁公処。日本時代、支庁舎の一部だった可能性が高い。
[新城-2]
前回紹介した研海支庁は、戦後、新城の名前を復活させ新城郷公所として使われ、現在は花蓮県警察局新城分局になっているが、当時の石垣が現役、その警察署の向かい側にある既に廃棄された新城村弁公処も、以前は支庁舎の一部だった可能性がある。
但し、当時の町並みが今でも残っているということは、それだけ経済的に衰退してきたという意味で、現在の新城郷の中心地(郷公所の置かれている場所)は、日本時代に支庁が置かれた場所から更に10キロ程南側、花蓮市側に移ってしまった。新城郷は花蓮県では最も小さな郷、しかし、花蓮国際空港と空軍を併せ持つ。
新城から花蓮市までは約20キロ、この間にも古道に因む場所はあるが、もう花蓮市はすぐそこ、花蓮市の紹介は様々な機会を通じて読者の方にはなされているので、私の古道の旅はここで終わることにする。
蘇花古道に関する最新の研究の成果は以下の書籍に完全な形で網羅されており、筆者自身も今回の記事を書くに当り参考にした。叉、台湾古道に関する一般出版物の中でも最高峰だと思う。台湾政府系出版物を扱う書店、又は、台湾国家公園のビジター・センター内で購入出来るので、ご興味のある方は是非ともご一読することをお奨めする:
李瑞宗著、「蘇花道今昔」、2003年7月初版、太魯閣国家公園管理処出版
(蘇花古道 完)(メルマガ「台湾の声」2007年6月16日掲載分の一部を改編:終わり)
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