2009年02月07日
蘇花古道−4
【写真説明】記事に相応しい写真を探してみたが適当なものがない。そこでここに掲載の写真は今回の記事とは余り関係がない。蘇花古道の出発点にして現在の蘇花公路の白眉の一つ、蘇澳湾全景。蘇澳の街を花蓮方面へ省道9号線を辿るとすぐ坂になる。その坂を登り切るとこの風景が広がる。ここから遠く望む亀山島(同写真左一番奥)は正に亀の姿である。蘇澳湾に関する説明は次回の記事を参考にして欲しい。
[戦後から現在]
戦後はこの臨海道の整備、拡張が継続され現在に到るわけだが、当時の臨海道と現在の蘇花公路との大きな違いは、多数のトンネルで山側に道路を寄せて安全性を高めた点と、最新の工事では蘇花間にある三本の大河(南澳渓、大濁水渓、タッキリ渓)で最南に位置するタッキリ渓を渡る際、上流側に迂回せずに海岸に近い場所に架橋(太魯閣大橋、2002年完工)し、河口を一気に渡り切るようになった点だ。
叉、蘇澳−花蓮間の鉄道、北廻鉄路が開通したのが、1980年。東澳以南はほぼ蘇花公路と平行して敷設された。
更に、「台湾の誇り」とされ、15年の工期を経て昨年開通した自動車用トンネルとしては東アジア最長(但し、開通時のみ。現時点では第二位、全世界では第六位、全長約13キロ)の雪山トンネルを経由し国道5号線(通称「北宜高速公路」、正式名称「蒋渭水高速公路」)が蘇澳まで延びてきて、特に台北方面から蘇澳公路へのアクセスが唖然とするぐらい便利になった。
加えて、この高速道路を、花蓮、台東まで伸ばす計画が控えており蘇花古道は大きく生まれ変わろうとしている。嘗ては後山と呼ばれ未開地の代名詞だった東台湾の今後の展望が、国道5号線経由で実際蘇澳まで走ってみると大きく拓けていくであろうことを実感できる。尚、蘇花高速道路建設計画には自然保護の観点から反対運動が起こったのだが、台湾政府は既にこの計画実施を決定している。(メルマガ「台湾の声」2007年6月14日掲載分の一部を改編:次回へ続く)
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