【写真説明】墾丁国家公園内の内陸部の白眉は南仁湖だと思う。ここに入るには予め予約しなければならない。左写真は入口の管理処(正式には「内政部営建署墾丁国家公園管理処南仁山管理站」)で渡される出入証。大尖山と空、海を意匠に使った墾丁国家公園のシンボルマークが印刷されている。中央、並びに右写真は南仁湖の風景。湖、沼、草原をすべて併せ持つ実に爽快な場所である。
[南仁湖と東源水上草原]−1
もう一つ、国立公園の内陸側に隠れた名所がある。満州郷にある南仁湖だ。満州の街を過ぎ県道200号線を10キロ程北上すると入り口がある。
恒春半島には小さな湖沼、更にそれらが草原化した場所が幾つかあり、前者の代表が南仁湖、後者の代表がこれは国立公園内ではないが、牡丹郷内の199号線途中に東源水上草原がある。東源草原は実際は草原になる前の段階の湿地帯で、県道傍にありアクセスが便利、且つ四季毎に異なる花を楽しめるので、多くの観光客を集めている。
一方、南仁湖の方は自然保護区になっており、一日四百人の入山制限がきちんと確保されているので、予め予約しなければ入れない。但し、外国人でも墾丁国家公園管理処のウェッブ・サイトから予約状況を確認しながら簡単に行える。
登山口から湖までの距離は約4キロで緩やかに登っていくので、一般のハイカーでも苦にならない。自然保護区になる前は地元の方の田畑が散在していたのだが、今は一家族だけが居住しているそうだ。一般のハイカーが立ち入りが許可されているのは歩道沿いだけなのだが、コンクリートに拠る人工物の設置が最小限に抑えられており、しかもゴミが殆ど無く非常に清潔に保たれている。「公園の保護管理の基本は入園制限から」の見本のようなものだ。喧騒の墾丁国家公園の中の良心が南仁湖だと云える。
南仁湖は実際は湖、沼、湿地、草原のすべてを併せ持っており、湖が草原化するまでの中間形態をすべて観察出来るようになっている。天気が良い時に来れば、湖沼と周りの緑の山々が織り成す景観は実に素晴らしいのだが、難点が一つ、登山道を抜け湖に着いた後は高い樹木が無い為、直射日光に曝されることである。夏場にここを訪れる際は日射病の予防に十分努める必要があることを付記しておく。>(メルマガ「台湾の声」2006年11月26日掲載分の一部を改編:終わり)
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