【写真説明】大尖山は色々な機会に写真に収めていた積りだったが、特に墾丁国家公園のシンボル・マークにデザインされている針状に見える山容を写したものが無い。残念ながらここに掲載した三枚で我慢して貰うしかない。左写真は大山母山(標高325メートル)の中腹から大尖山(同318メートル)と文字通り台湾最南端、並びにバシー海峡を望んだもの。凡そ北西からの眺望。同写真左上隅に偶然ツマベニチョウが写っている。中央写真は国立公園内の一景点として青蛙石と呼ばれる露岩が海岸端にあるがそこからの大尖山を望んだもの。緯度上は完全に熱帯の草薮。凡そ真南からの眺望である。右写真は大尖山の麓に広がる牧場内から大尖山を見上げたもの。我々はこの方向から登り始めた。
[大尖山]-1
墾丁国家公園の見所は、台湾のマイアミと呼ぶ人もあるくらいなので、何と言っても青い海と海岸線に集中している。但し、この点景だけが失われるとこの国立公園全体の景観ががらりと変わってしまうのではないかと思われるのが、大尖山、墾丁国家公園のシンボル・マークにもなっている標高318メートルの岩山だ。
大尖山という名の山は台湾にも沢山あるが、恐らく墾丁のものが一番よく知られていると思う。隆起した珊瑚礁によって形成されているという説明も散見されるが、海底が隆起したのはその通りでも実際は泥岩の外来岩塊(海底の地殻部分が隆起)で頂上を形成する岩峰部分とそれを支えているように見える下部の岩塊は地質学的には別物だそうだ。
この山とその周りの牧場の広がりは、海岸線が際立つこの国立公園内の内陸側の極めて美しい景観の代表だ。見る角度によりこの岩山の山容は大きく変化するのも大きな魅力である。北西、或いは南東の方角から見ると細く尖った山になり、墾丁国家公園のシンボル・マークはこれらの方向からの山容をデザインしたものだ。一方、北東、南西の方向からだと広い頂きを持つ山になる。
いずれの方角からも、頂上を形成する各々の裸の岩峰はまるでナイフを突き立てたような塩梅で、まるで取り付く島のないような印象を与えるので、普通の人はとても登れるとは思わないし、又そのような気すら起こらないが、実はロッククライミングの心得が無くても高所恐怖症ではない限りこの山は登れるのである。
少なくとも屏東県の観光案内サイトでは登れる山と紹介されている。が、私の知る限り少なくとも過去十年ぐらいは登山禁止の状態が続いていると推測している。以前は盛んに登られていたので登山道が付いているし、山中には古い案内板が残っている。又、岩に取り付いたらほぼ垂直に登り続けなければならないので、その為のロープもきちんと確保されている。>(メルマガ「台湾の声」2006年11月26日掲載分の一部を改編)次回へ続く...
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