2008年09月27日
玉山古道(新高山歩道)−8
【写真説明】左写真は鹿林天文台下、即ち鹿林前山(2,862メートル)頂上足下から玉山連峰並びに、玉山主峰に連なる稜線を望んだもの。最後方右側稜線の最高所が主峰(3,952メートル)、その左側が、北峰(3,858メートル)・北北峰(3,883メートル)、同写真右手が鹿林山(2,895メートル)の稜線でそこから弧を描きながら玉山主峰に競り上がる稜線は、順に麟趾山(2,854メートル)、玉山前峰(3,239メートル)、西峰(3,467メートル)である。又、同写真右奥には、郡大山、並びに秀姑巒山を含む台湾中央山脈最高段が見える。更に、写真左側に見える道路は新中横(手前省道18号線、奥が21号線)で嘗ての阿里山森林鉄道林場線の軌道を外しそのまま自動車道にしたものである。
中央写真は鹿林山頂上足下から玉山連峰を望んだもの。同写真左手前は麟趾山稜線、玉山前峰と玉山西峰が駱駝の瘤(こぶ)のように見える。写真右手前に写る枯れ木は山火事の名残り。右写真の右端に写る三角峰は中央山脈南段の雄、関山(3,668メートル)で、そこから北に向かう稜線上に掛かる雲のベールを撮影したもの。堰から溢れる水のように雲が落ちていた。撮影地点は左一枚と同じ、天文台下から。
[鹿林山−随一の玉山展望台]-2
鹿林山荘から鹿林山山頂までは半時間程度だ。山頂からの展望は一部廻りの樹木に邪魔される部分があるが、そこから玉山へ向かうように暫く下ると、足下に草原が広がりその先には一切の遮蔽物が無い玉山連峰の雄姿が眼前に飛び込んで来る。
様々な場所から玉山を展望して来た筆者だが、この鹿林山頂上足下からの玉山展望には唖然とした。天国的とさえ言えるこの風景は、鹿林山山麓とそれに続く麟趾山に掛けての見事な草原、その先にはゆっくり高度を上げるなだらかな山容の玉山前峰と玉山西峰、最後に尖立する玉山主峰と左右に控える峨々(がが)たる稜線へと続き、全体の風景は静と動が見事に配置され、ゆるやかなリズムが次第にテンポを上げていくような音楽的な躍動感が風景の中にある。
ここに見る草原は数度の山火事を経て出現したものだそうだ。玉山山塊に加えて、左手には鹿野忠雄が「山と雲と蕃人と」の中でかなりの筆を費やしてる秀姑巒山・マボラス山塊、郡大山(標高3,250メートル)、東郡大山(同3,619メートル)・東巒大山(同3,468メートル)塊等、右側に目を転じれば、ピラミッド型の山容がひと際目立つと関山(同3,668メートル)とそれに続く中央山脈南段と小粒だが明確に判る大武山(同3,092メートル)という具合に広がる。>(メルマガ「台湾の声」2008年1月2日掲載分の一部を改編)次回へ続く...
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック