2008年08月23日

玉山古道(新高山歩道)−3

Kodou-259.JPG Kodou-260.JPG Kodou-261.JPG
【写真説明】左写真は玉山国家公園塔塔加遊客中心(ビジターセンター)、嘗てはタータカ林場の集材場だった場所である。同写真右奥に写る尖峰が玉山主峰である。中央写真は現在のタータカ・ルートの登山口でのお馴染みの光景。朝方は逆光になるので「玉山登山口」の面は暗くなるのがここでの記念撮影の難点である。同写真のバックのギザギザの稜線は小南山(標高3,615メートル)と南玉山(同3,381メートル)である。右写真は玉山西峰頂上にある祠。赤い蕾は石楠花。4月下旬の撮影で他の場所では既に咲き始めているのだが、標高が3,500メートル近くあることと、周りは樹木が繁茂し眺望は利かず温度が上がりにくい為開花が遅れている。

[玉山への登山道-タータカ・ルート]
日本時代、新高山への登山道は二本あった。これは現在も変わらない。現在専ら利用されているのは、嘉義市を起点とする省道(注2)18号線で阿里山遊楽区を経由しアクセスする方法で、塔塔加(日本時代のタータカ)ビジター・センターの約1キロ手前にある上東埔駐車場が登山基地になっている。そこから楠渓林道に入り、林道途中にある検問所(正式には国家公園警察隊塔塔加小隊)で入山・入園許可証の両方を提出して、約3キロ弱程進むとタータカ鞍部と通称する登山口に到る。鞍部とは実際には玉山前峰(日本時代の新高前山、標高3,239メートル)と麟趾山(標高2,854メートル)との鞍部のことであり、登山客はまず玉山前峰の山裾に取り付くことになる。

駐車場から登山口までの林道は立派な舗装道路で、麟趾山の北側山麓を巻いており、途中に台湾鉄杉の見事な原生林を観賞出来るので、この林道だけを散策する観光客も多い。前日に阿里山付近に宿泊、翌日早朝に起きて登山口に至り、初日は標高3,400メートルにある拝雲山荘(日本時代の新高下駐在所跡)を目指す。二日目は玉山頂上で日の出を観る為に三、四時に起床、頂上に至った後はそのまま下山、昼過ぎには登山口に戻って来るというのが、大多数の登山客の行程で、片道10キロ強になる。

登山口から玉山頂上に到る現在の登山道と日本時代の登山道はかなり異なっており、日本時代は前峰の山裾から西峰(日本時代の新高西山、標高3,467メートル)頂上に上がった後現在の拝雲山荘に至っていたが、現在の登山道は西峰を巻いて拝雲山荘に至るようになっている。今は、初日に山荘に着いた後、時間と体力に余裕のある登山客が空身(荷物を背負わないの意)で山荘と西峰山頂(日本時代の祠を復元したものが安置されている)を往復するというのが一般的だ。>(メルマガ「台湾の声」2008年1月2日掲載分の一部を改編)次回へ続く...

(注2)「省道」とは「台湾省道」の意であるが、実際は「国道」のことである。交通部公路総局は未だに改称していないのでそれに従った。尚、現在の台湾で国道とは高速道路(高速公路)の呼称である。
ラベル:玉山 新高山
posted by 玉山 at 00:00| Comment(5) | TrackBack(0) | 玉山古道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
西峰の祠、戦後に建てられたとは思えませんので日本時代の建立なのでしょうね。私の僅かな知識では西峰にもこのような立派なものがあったとは分かりませんでした。主峰にも以前はあったが、今は撤去されているというのを何かで読んだことがあります。これと同じようなものだったのでしょうか?

日本では山は信仰の対象として神社、祠を建て修行の場としましたが、台湾では原住民族が先祖の誕生の場として崇める事はあっても祠様のものを建てるような事はないように思いますが、如何なのでしょうか?
Posted by メイウェンティ at 2008年09月21日 02:09
メイウェンティさん;

西峰の祠は明らかに戦後の建立です。写真でも判るかと思いますが非常に新しいです。最初から有ったのか?その後誰かが建て替えたのか?或いは誰かが新たに建てたか?私は残念ながら判りません。

同じような祠は実は意外な場所にもあります。郡大山林道沿いとか。林務局工作站の袂に置かれており、この工作站自体日本時代縁のものと想像されますが、サイト上でその手の説明が見付かりません。

原住民にとって塊としての山に意味があっても、頂上それ自体に意味があるのかは判りません。山は恵みを垂れるものですが、頂上それ自体は何も恵んでくれない?(了)
Posted by 玉山 at 2008年09月23日 23:24
こんにちは、浦木裕です。
改めてよろしくお願い致します。

西峰にこういう祠があるとは知りませんでした。
前回言ったのは、多分もはや20年前、自分が小学生の頃でした。

ただし、西峰に気象観測所があることだけが記憶に残ります。
Posted by 浦木裕 at 2009年02月12日 21:47
浦木様;

弊ブログのご訪問ありがとうございます。

気象観測所があるのは北峰で、西峰より格段に標高があります。北峰まで足を伸ばされたのであれば大したものだと思います。

今後ともお引き立ての程、宜しくお願い致します。(了)
Posted by 玉山 at 2009年02月12日 22:06
 こんにちは、浦木裕です。

 ああ、つい間違いました。

 確かに、北峰でした。うろ覚えが信用できませんね。事前にチャックしたらいいのに、どうも済みませんでした。

 というと、西峰はまだ行ったことないんです。北峰は主峰へいく直前、片道寄りという感じでしたので行きました。これから何れの機会があれば西峰に行ってみます。何時になるのかよくわかりませんけどね...
Posted by 浦木裕 at 2009年02月13日 08:04
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